iPhone12は5G対応になったが、通信キャリア各社の動向はいったい?

iPhone12は5G対応になったが、通信キャリア各社の動向はいったい?

iPhoneシリーズもiPhone12シリーズから5Gに対応し発売となりました。
国内向けのiPhone12についてはsub6帯の周波数のみに対応となり、ミリ波に対応したiPhone12シリーズは米国向けのモデルのみとなりました。

こちらの記事ではiPhone12が5G対応になったことを受け、大手通信キャリア4社の動向についてリサーチした内容をまとめて行きますので、ご興味のある方は参考にして頂けると嬉しいです。

通信キャリア各社の対応状況は?

既にご存知の方も多いとは思いますが、iPhone12シリーズの「iPhone 12」と「iPhone 12 Pro」が10月23日に発売が開始さあれています。
それらを受け、iPhone12を販売する各社もAppleと同様の販売を開始しています。
引き続き「iPhone 12 Mini」、「iPhone 12 Pro Max」が順次発売を予定しており、iPhone12シリーズは全4機種のランナップで展開されます。

販売については、今まで通りAppleおよび量販店、通信キャリアからの販売となります。
SIMフリー版では、iPhone 12が85,800円〜、iPhone 12 Proが106,800円〜、iPhone 12 miniが74,800円、iPhone 12 Pro Maxが117,8000円〜の税別となっています。
またApple直販サイトではiPhoneの下取りを行っていて、持っているiPhoneがiPhoneSE以降の製品であれば恩恵を受けることが可能です。

iPhone 12シリーズの共通の目玉トピックとしては、4機種全てが5Gに対応したことが挙げられます。
AppleのiPhone12の商品発表会でも5Gについて多くの時間を割いて紹介されていました。
iPhone 12シリーズの5Gは、米国向けのモデルはミリ波に対応し、より高速・大容量な通信が可能
他に地域ではsub6に対応する形で販売が開始されています。

Apple社は、iPhone 12シリーズの5Gでの最大通信速度をSub6では、基地局からの送信を3.5Gbpsを実現するという。
また、米国向けのミリ波に対応したモデルでは、基地局からの送信を4Gbpsとなることが紹介されていました。
この値はiPhone12シリーズの能力であって、実際は基地局と通信を行った上での速度になるためあくまで参考値として捉えて頂きたい。

5Gでは現在、日本で大手通信キャリアに割当られている周波数は、n77、n78、n79、n257となっています。
この内iPhone12シリーズが対応しているのは、sub6のn77、n78、n79となっています。
よって、どの通信キャリア出会ったとしてもsub6での5Gサービス提供は可能となります。

日本国内向けモデルのiPhone12シリーズの周波数バンド対応一覧

5G NR(バンドn1、n2、n3、n5、n7、n8、n12、n20、n25、n28、n38、n40、n41、n66、n71、n77、n78、n79)
FDD-LTE(バンド1、2、3、4、5、7、8、12、13、14、17、18、19、20、21、25、26、28、29、30、32、66、71)
TD-LTE(バンド34、38、39、40、41、42、46、48)
UMTS/HSPA+/DC-HSDPA(850、900、1,700/2,100、1,900、2,100MHz)
GSM/EDGE(850、900、1,800、1,900MHz)

ここからは、日本の各通信キャリアの対応状況を個々に紹介していきたいと思います。

【NTTドコモ】

NTTドコモでは、5Gの通信速度を下り3.4Gbps/上り182Mbpsの速度で提供を開始しました。
9月23日からはミリ波での提供を開始し、下り4.1Gbps/上り278Mbpsで提供を開始しています。
今年の冬モデルからは下り4.1Gbps/上り480Mbpsと上り速度が向上したサービスとなる様です。

NTTドコモでは、利用する周波数帯はSub6のn78(3.7GHz帯)、n79(4.5GHz帯)、ミリ波のn257(28GHz帯)となっていて、この中のsub6帯のn78、n79がiPhone 12シリーズに対応しています。
iPhone12シリーズの登場により、Android端末の方が高速通信が可能であった状況を脱し、下り3.4Gbps/上り182Mbpsになり、sub6帯のみに対応したAndroidと同等の通信速度になりました。

【au】

auは、下りが3.4Gbps、上り183Mbpsでサービスを3月26日に提供を開始
5Gサービスを開始した時点では、Sub6のみで提供。
当初は下り最大2.8Gbps/上り最大183Mbpsで提供していましたが、後に下り最大3.4Gbpsへ高速化を行いました。
さらに9月17日からミリ波でもサービスを開始し、下り最大4.1Gbps/上り最大481Mbpsで提供しています。

auで利用する周波数帯はSub6のn77・n78(3.7GHz帯)、ミリ波のn257(28GHz帯)となっていて、この中のn77、n78がiPhone 12シリーズで対応しています。
iPhone 12シリーズの登場によりSub6のみに対応したAndroidスマホと同等の通信速度になっています。

【SoftBank】

SoftBankは、今年3月27日に5GサービスをSub6のみで提供を開始し、当初は下り最大2.0Gbps/上り最大103Mbpsでした。
その後、下り最大2.4Gbpsへ高速化対応をしています。
SoftBankでは、現在ミリ波でのサービスは提供開始は未定となっています。

softbankが利用する周波数帯はSub6のn77(3.7GHz帯)、ミリ波のn257(28GHz帯)となっています。
この中ではn77がiPhone 12シリーズで対応していて、softbank回線でのiphone12シリーズの最大速度は下り2.4Gbps/上り183Mbpsとなり、Sub6のみに対応したAndroidスマホの同等の通信速度になっています。

【楽天モバイル】

楽天モバイルについては、iPhone 12シリーズは取り扱わない様です。
このため、楽天モバイルのSIMでiPhone12を利用できるかどうか不明です。
楽天モバイルは今年9月30日に5Gサービスを提供開始しており、周波数帯はSub6のn77(3.7GHz帯)とミリ波のn257(28GHz帯)で行われていて、現時点での最大通信速度は下り870Mbps/上り110Mbpsとのこと。

今後、2020年11月中には、Sub6にて下り2.13Gbps/上り183Mbpsの通信速度と、ミリ波にて下り2.8Gbps/上り275Mbpsにする予定とのこと。
日本国内向けiPhone 12シリーズは、Sub6のみに対応しているので使えたとしてもsub6の最大通信速度になると想定されます。
周波数的にはiPhone12シリーズを楽天回線で使えそうではありますが、ネットワーク側も対応があるため、使えるかの検証を行う必要があります。

まとめ

どうでしたでしょうか?
この様に通信キャリア各社の対応をみても、積極的なエリア展開というよりは、状況に合わせて順次エリアを拡大しているように思えます。
楽天モバイルについては、問題が山積していますが、5Gの周波数帯は電波が遠くへは飛ばないので、既存の3大通信キャリア同等の基地局数では到底サービスエリアを構築することは出来ないため、総務省から指摘を受ける前により急ピッチで基地局を構築しなければまずそうです。
楽天モバイルは不祥事続きで問題も多いですが、頑張って頂きたいものですね〜