総務省が5G周波数帯に1.7GHzを追加割当計画を発表
総務省は2020年11月20日に5G周波数帯として、現在東名阪に割当られている1.7GHz帯以外のエリアについて5G用の周波数として追加割当を行うと発表しました。
この1.7GHz帯の周波数については、NTTdocomo(東名阪)、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの4社が各々20MHz×2つの帯域を割り当てられています。
今回の計画で対象となるのは、NTTdocomoが東名阪で割当られている1765MHz〜1785MHzと1860MHz〜1880MHzの東名阪以外の部分になります。
この背景などについて調べて見ましたので、見ていきましょう。
1.7GHz帯の東名阪以外の割当とは?
1.7GHz帯の割当は他の周波数に比べ、少し特殊な割当になっています。
当初は、IMT(3G)の時代にユーザー及びデータ通信の増加に伴い、NTTdocomoに対して1.7GHz帯の割当を総務省が行いました。
その際に割当たのがトラヒックの集中していた東名阪に限定した割当でした。
この帯域は他の通信に使われていたこともあり、当時は割当が出来る部分に限りがありました。
時間が経ち、周波数再編が進み、2018年には割当可能となった周波数に対して、楽天モバイル、ソフトバンク、KDDIに対して周波数の割当を行いましたが、その際は全国の範囲でした。
その際にNTTdocomoの帯域の東名阪以外の周波数も割当ての希望を募りましたが、希望する事業者ははいませんでした。
全国に展開できる周波数帯と部分的に使用出来る周波数と比べたら、断然全国で使える周波数を獲得した方がいいですからね。
周波数の割当表
追加割当は1社(1グループ)に対してのみ
今回1,7GHzの追加割当帯域を受けられるのは、1事業者(1グループ)となっています。
希望すれば割当られるといったものではなく、総務省の審査基準に則って行われます。
審査としては、5G基盤展開率が50%以上、特定基地局解説料を31億円/年以上納付、SIMロック解除及びeSIMの推進など、先に総務省が発表した「モバイル市場の公正な競争整備に向けてアクション・プラン」を踏まえた対応や計画があるかなどとしています。
公募は、2021年1~2月に開設計画の申請を受け審査が始められ、2021年の4月下旬には割当対象となる事業者が決定する流れです。
ちなみに、NTTdocomoが東名阪で割当を受けて使用しているのは、現状4Gでの運用となっています。
よって、当面は4Gでの利用も可能としています。
審査方法、手順
まとめ
総務省では、この周波数割り当てについて、開設指針案を作成し、2020年11月21から、12月21までパブリックコメントを募集しています。
客観的にみて、NTTdocomoの東名阪に限定していたものを解除すれば良いように思いますが、電波は有限な国の資産ですので、公平に割当を行うといった形になります。
ここで、NTTdocomo以外のキャリアが割当を受けたとすると、エリア境界では同一の周波数を使って居るため、電波の干渉問題が発生するため、他の事業者としても、巨額の費用を投じてでも欲しい周波数かと言われると、微妙なところです。
さらには、条件をみるとエリア展開とありますが、楽天以外の3社についてはイタチごっこで2021年1月頃にどれくらい開設数が増やせるのかに掛かっているとおもいます。
恐らく1番のネックとなるのが、総務省が発表したアクションプランにどの様に対応しているかと点です。
au、ソフトバンクは料金の値下げをしておらず、サブブランドのY!mobile、UQmobileから20Gのプランで値下げを提示した程度です。この内容を受けて武田総務大臣は「羊頭狗肉」発言をし、愚見をていしています。
2社はマイナスイメージを払拭する策を講じて来るかが大きな分け目となりそうです。
そうでなければ、NTTdocomoへの割当に軍配が上がりそうです。
そうなると、出来レースと言われそうなので、総務省としてもさらなる策を講じたいところですが、時間がありませんので、このままNTTdocomoへの割当に進みそうな気がしてなりません。
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