5Gへの移行を強化するドコモはエリア拡充とミドルスペック端末を強化(3/3)

5Gへの移行を強化するドコモはエリア拡充とミドルスペック端末を強化(3/3)

NTTドコモは、5Gへの移行を促すために、ミドルレンジスマホの導入によって、購入可能な対象者を増やし、レンタルサービスの「kikito」を開始することで、5Gへの移行を更に強めたい意向のようです。
5Gへの意向のキモは、5Gのサビスエリアの拡充がマストです。
NTTドコモは5Gののサービスエリアをどの様なスケジュールで拡大していくのでしょうか?
発表会で公表された計画について見ていきましょう。

マクロ局で基地局を構築する方針

5Gへの移行を促す策を講じたとしても、現在の様に使える5Gエリアはスポット的にでは意味を成しません。
NTTドコモでは、au・Softbankとは異なり、5Gのために割り当てられた新周波数を使用してサービスエリアの構築を行う予定としています。

発表された内容では、2023年3月末までには5Gの基地局数を3万2000局に拡大するとしていて、これにより人工カバー率を70%を達成する予定。
この基地局数は、5Gでドコモが割り当てられた、3,7GHz・4.5GHz・28GHz帯を用いての達成を目標としているとの事でした。

これに対して、auやソフトバンクは、2022年3月末までに基地局数を5万局に拡大すると発表しています。
なぜこの様な1年程差が起きてしまうのかというと、au・ソフトバンクについては、4Gで使っている周波数を5G用に切替えることで、基地局を構築する期間を短縮する事が可能なため、ドコモよりも早く5Gエリアの構築を行える様に対策を取っている様です。
4Gの周波数からの転用を行っても実は周波数の帯域が少ないため、本来の5Gの高速通信は出来ません。
au・ソフトバンクは5Gの高速通信を犠牲にしてでも、サービスエリアを拡充することを優先的に考えていると想定されます。その分4Gに割当られる周波数が減るため、4Gの速度が低下します。
NTTドコモでは、5Gの高速通信でエリア形成を行うことで、エリアと速度を両立させる方針の様です。

NTTドコモは全く4Gの周波数を移行して5Gにする気は無いという訳でもありません
2021年後半には、4Gの周波数を移行することも視野には入れているとのこと。
人が少ない場所に5Gを入れても仕方ありませんので、人が少ない部分については4G周波数の移行を状況に合わせて検討する様です。

サービスエリアはどんな感じで増えていく予定なのか?

5Gのサービスエリア拡大については、これまでのスピード感ではなく、更に加速させていくとの事。
現在はスポット的な展開ですが、今後は面的にサービスエリアを広めて行く方針です。
2021年3月末のサービスエリアは、下記の通り、面的な広がりがあるサービスエリア図となっており、主要都市部は大幅に改善される計画になっています。

これは、夏過ぎから進められているマクロエリアでのサービス展開が進んできている状況からも、本気度が伺えます。

ドコモは有利?

マクロ局で5Gのサービスエリアを構築することはドコモにとっては有利に働きます。
実は、5G向けの周波数の割当でNTTドコモ、au、ソフトバンク、RakutenMobileのうち、4.5GHz帯を割り当てられているのはNTTドコモだけだからです。

それから、4Gで用いられている3.5GHz帯については、人工衛星との通信への干渉が起こりうる周波数帯のため、干渉を調査する必要があります。
このため構築には他事業者との調整か必要なため時間が掛かります。
4Gの周波数を転用して5Gに使うにもそれなりの時間を要するため各社の動向が気になるところ。

そもそも、割り当てられた周波数が大きければ大きいほど高速に通信サービスを提供することが可能になります。
言い換えれば、4.5GHz帯を割り当てられていない会社にとっては、4Gで利用している周波数を5Gで使う事によって、NTTドコモとの最大速度の差をつけられないためにも4Gの周波数が必要なんです。

NTTドコモは発表会の中で、5Gの超高速通信をアピールするために新周波数帯を使った5Gのサービスエリアを、「瞬速5G」と名付けてブランディングを行いました。

さらに2020年12月からは、3.7GHzと4.5GHzのSub-6のキャリアアグリゲーション(CA)も開始。
この5Gのsub6のCAについては、対応する端末に限りがありあます。
このsub6のCAに対応するスマホはというと、”Galaxy Note20 Ultra 5G”、”Xperia 5 II”のハイスペック機の2機種のみ対応となっています。
他の春夏モデルやiPhone 12シリーズはsub6 CAには非対応ですが、理論上の最大通信速度は、下り最大4.2Gbpsとなり、ミリ波単独での通信速度4.1Gbpsを上回る結果になっています。

まとめ

ミドルレンジ端末を拡充したことで、年末商戦に向け、加速していくと思われます。
これらの対策は2021年3月に250万の契約者数を確保にどの様に影響を思すのでしょうか?

個人的には、5Gアリアが拡充した後にスマホ購入する流れが通常だと思いますので、先ずは5Gのサービスエリアを広域なマクロエリアの構築を早急に行って頂きたいと思っています。