アハモahamoショック!ドコモの激安プラン「アハモ(ahamo)」は新料金プランなの?(2/3)

アハモahamoショック!ドコモの激安プラン「アハモ(ahamo)」は新料金プランなの?(2/3)

アハモ(ahamo)でのNTTドコモの狙いはあくまでも若年層の契約獲得にあるようです。
これまでの記事でも記載してきましたが、NTTドコモの新料金プラン「アハモ(ahamo)」は、あくまでもデジタル・ネイティブ向けのサービスで、オンラインでの契約や自分でスマホを設定したりすることができるユーザーに向けた料金プランとなっています。
これらを自由になんの障壁もなく恩恵を受けられるのは若者世代がダントツですので、NTTドコモのユーザー層の若返りを狙っていることは間違いありません。

なぜ、若者層をターゲットとしたのか?

なぜ、NTTドコモは若者層をターゲットとして、アハモ(ahamo)の提供に踏み切ったのでしょうか?
その理由は、総務省からのお達しも背景には間違いなくありますが、それだけではなさそうです。
NTTドコモの契約者の主な層は年配の方が多く、昔から使っているから等の理由が一番大きいです。
それ以外の年齢層としては、ソフトバンクやau等が様々な料金プランを提示し、競争を行ったことからNTTドコモ=高いイメージが残り、若者層は主にソフトバンクやauを主に使うユーザーが多い結果となっているのが現状です。
恐らく、これらの理由からNTTドコモとしてはこれからの市場や存続を考慮すると若者層のユーザーの獲得は大きな意味があります。

よって、これらの対策として、20GBという容量で、5分の無料通話が付いて、国際ローミングも82ヶ国無料で2,980円といったプランを提示したのではないでしょうか?
若者層は、LCC等の航空会社の恩恵で海外へ渡航する機会も増えており、若者層のニーズにマッチした形の料金プランを打ち立てて勝負に出たと感じます。

この価格については、NTTドコモ社長の井伊氏も「競争戦略上、この料金としたが、少なくとも他社に勝てる価格」と自信を持っているのもうなずけます。

20GB、5分無料通話で2,980円というプランは、格安SIMなどのMVNOに匹敵する価格帯のため、”激安”プランと言っても過言ではなさそうです。

それもそのはず、2020年10月にauが発表したUQmobileの「スマホプランV」は20GBで3,980円とアハモ(ahamo)より1,000円高く、音声通話は付いていません。

ソフトバンクは、Y!mobileでシンプル20というプランを提供していますが、10分の無料通話がつくものの、4,480円と1,500円程料金が高くなります。

RakutenMobileはどうなの?

MNOの中には他にRakutenMobileがあります。
楽天モバイルは「UN-LIMIT V」という5Gにも対応した料金プランを2,980円とアハモ(ahamo)と同額でデータは無制限と他社に大きな差をつけた料金プランを提示しています。
データ量などを考えれば、断然RakutenMobileの方を選ぶべきでしょう。
しかしながら、RakutenMobileの大きな欠点はエリアが狭いこと。
ただ狭いだけでなく、auの回線をローミングとして利用しており、エリアカバー率が80%程度になったらau側はローミングを解除しますので、その間はエリアに穴が空いているのが現状です。
地方になればなるほど、人工カバー率が上がっても途中の山間部等の穴が大きいため、かなり不便な状況が続くことが予想されますので、現状の選択肢としてはあまりオススメ出来ません。
現状、同じ様な価格帯でも安定して使える回線で同額であれば、NTTドコモを選ぶ人も多いのでは無いでしょうか?

MVNOと比べてアハモ(ahamo)はどうなの?

MVNOにもアハモ(ahamo)に対抗可能な料金プランを用意しています。
例として、IIJ提供するIIJmioは12GBの「ファミリーシェアプラン」が音声通話が付いて3,260円となっており、アハモ(ahamo)に軍配があがります。
mineoでは20GBのプランも用意されていますが、ドコモ回線を使用するDプランでは4,680円とアハモ(ahamo)より1,700円も高く音声通話もついていないので勝負になりません。

アハモ(ahamo)導入に至った訳とは?

NTTドコモは記者会見で、アハモ(ahamo)を導入した背景には20代のユーザーを取り逃していた焦りが隠せない状況にあることが分かりました。
ドコモ以外のキャリアは若者層に向けて、家族割等で若者層を含む場合家族全員割り引くなどの若者層の囲い込みを行って来ており、これらが功を奏しています。
この若者層に合った料金プランの提示をNTTドコモは出来ていなかったとし、満を持してこの「アハモ(ahamo)」を打ち出すことで勝負に出た形となります。

では、なぜこのタイミングで出来たのでしょうか?

このアハモ(ahamo)は2,980円と激安です。
これらを行と大幅な減益となり、株主からは大きな反発を受けることになり、結果によっては上層部の退任等の大きな障壁があります。
しかしながら、NTTドコモは直前に上場廃止し、持株会社が公開買い付けを行いました。
これらの背景があり、今回のアハモ(ahamo)の様な大胆な料金プランを提示することが出来た背景があります。

ドコモのトラヒックは実は少ない?

ドコモが20GBを2,980円に出来る理由の1つに他社と比較してトラヒックが非常に少ないといった特徴が実はありました。
NTTドコモは2019年4月にギガライトを発表した際のトラヒックはというと、4割のスマートフォンユーザーは1GB未満で最低料金で済んでいることが分かっています。
データ使用量の多い若者層を取りこぼしていなければこの様なことは起こっていなかったはずです。
「ギガホ」「ギガライト」いづれも低容量のユーザーが大半であると現状を明かしています。

NTTドコモは若者層をこのまま取りこぼし続け、低容量のユーザーばかりになると、将来的には収益は悪化の一途をたどることになり、若者層の部分だけ人口ピラミッドがいびつになり、更にはこのままだと先細り経営が成り立たたいとし、ドコモにとっては切実な打ち手であるということも明かしています。
総務省からの要請で対応したようにも見えますが、大きな背景としては上場廃止により自由な価格設定が出来ることにより、ドコモの将来を見据えた打開策となっている様です。
他社の動向も気になりますが、ドコモの将来はあるのでしょうか?

続きの記事はこちら