iPhone12シリーズの売りは「5G」だけではなかったその正体とは(2/2)
iPhone12シリーズの5Gの速度について調べて来ましたが、引き続きiPhone12の速度調査結果について考察を続けたいと思います。
iPhone12の5G接続体系による速度試験
これまで、iPhone12とiPhone12Pro、比較対象としてiPhone11Proで速度比較調査をiPhone単体、Wi-Fiによるテザリングと調べて来ました。
次は、USBケーブル接続での速度調査結果を見ていきましょう。
USB接続でのインターネット
LightningケーブルとUSBでMacへ接続し、インターネットに接続した際のスピードテストを各端末で5回実施した際の平均速度は以下の通りです。
この時、iPhone12で使用したケーブルは付属のLightning〜USB Type-Cのケーブルを利用しました。
- iPhone 12:下り222.6Mbps/上り98.7Mbps
- iPhone 12 Pro:下り230.5Mbps/上り106.5Mbps
- iPhone 11 Pro:下り221.5Mbps/上り29.5Mbps
結果を見ると、Wi-Fi経由で低速となったiPhone11Proが改善していますので、Wi-Fiによるテザリングは低速になる大きな要因となります。
しかしながら、iPhone12/iPhone12ProにおいてはWi-Fiの方が速度が出ているためケーブルでの接続よりテザリングの方が速度がるようです。
USB Type-Cは高速ですが、Lightningケーブルについては、USB2.0規格に準拠しているため、最大400Mbps(60MB/秒)となり、Lightningコネクタがボトルネックとなり、iPhone12の5G回線の速度を行かせない状況です。
iPhone12シリーズの隠れた売りは「Wi-Fi 5」
iPhone12シリーズは5Gばかり取り上げられていますが、実はiPhone 12シリーズのWi-Fiは「Wi-Fi 5」に対応にしており、より高速になっています。
これまでの調査結果をご覧頂けると分かりますが、iPhone12のWi-Fi経由のテザリングがiPhone11と比較して大幅に改善している事が分かります。
これは5Gの影響ととらわれてしまうこともありますが、実はWi-Fi5(IEEE 802.11ac)に対応したことにより、Wi-Fiの通信速度が改善しています。
正直なところ、これまでのiPhoneでのWi-FiはWi-Fi 4(IEEE 802.11n)で2.4GHz帯しか利用出来ておらず、Wi-Fi 4の理論値は最大144Mbpsとなっていて、4G回線の速度すら活かせる状況ではなかったのです。
それに比べて、iPhone12シリーズでは、Wi-Fi 5に対応したことで理論上、最大通信速度は867Mbpsとなり、Wi-Fi4に比べて6倍もの高速化を達成しています。
iPhone12は5Gに対応したことを大きく取り上げられる事が多いですが、5Gのサービスエリアはまだまだ発展途上で狭く(今回の確認も最寄りのドコモショップ内と限定的なエリア)日常的に5G回線の恩恵を受けることは少ないです。
しかしながら、iPhone12を経由してテザリングを行う方にとっては大きな変更でとても意味のある変更になっています。
「5Gエリアが狭いからまだ良いや」とお考えの方も、この記事を読んでみてテザリングするなら高速のほうが良いと思われたのならiPhone12を一度検討してみても良いのかも知れません。
Wi-Fi5のテザリングの恩恵を受ける方は多いと思いますので、試しに書く通信キャリアの販売店やAppleStoreで実際のiPhoe12に触れて見ると良いかも知れません。
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