Y!mobile(ワイモバイル)が最安プランを改善、容量超過時の速度アップへ

Y!mobile(ワイモバイル)が最安プランを改善、容量超過時の速度アップへ

ソフトバンクのサブブランドのY!mobile(ワイモバイル)が提供する最安となる月間3GBプラン「スマホベーシックプランS」の月間容量超過時の通信速度制限を引き上げました。
このスマホベーシックプランSは月間の容量超過時の速度制限を128kbpsのところ300kbpsに改善し、スマホベーシックプランSを改定しました。
これにはどの様な意図があるのでしょうか?

Y!mobile(ワイモバイル)の料金改定の内容

Y!mobileの親会社であるソフトバンクは2020年10月5日にサブブランドのY!mobile(ワイモバイル)の料金プラン「スマホベーシックプランS」のプランの内容を10月14日に改定することを発表しまし。

この「スマホベーシックプランS」の改定内容は、月間データ容量の上限の3GBを超過した後の通信速度制限を、上り・下りともに最大128kbpsとしていたものを300kbpsに制限速度を改良する内容。

このプラン内容の変更に伴う、月額料金の変更はありません。
これまでの月額料金は2,680円のまま変更はないとのこと。
既に契約済みのユーザーはどうなるのかと言うと、10月13日以前にスマホベーシックプランSを契約していた方の速度制限は、2021年3月末までに順次自動で変更するとのこと。

他のプランはどなのか?

ソフトバンクは、サブブランドのY!mobileの料金プラン「スマホベーシックプランM及びR」の速度制限を128kbpsであったものを2020年7月に1Mbpsへ変更してます。

他のスマホベーシックプラン以外にはケータイベーシックプランSS等があるが、それらについては現状維持の128kbpsのままとなっています。

なぜ、このタイミングで速度制限を緩和したのか?

ソフトバンクは、サブブランドのY!mobileがなぜ速度制限を緩和に踏み切ったのでしょうか?
ユーザーとしてはありがたい事ですが、この背景には他の格安SIMと比較した結果、競争力強化のため、若しくは5Gの影響があると筆者は考えています。

速度制限緩和は、競争力強化のため?

格安SIMの速度制限はどの様な状況なのか、確認しておきましょう。
BIGLOBEモバイル:送受信200kbps
UQモバイル:送受信200kbps(スマホプランRは1Mbps)
格安SIMの有名なブランドをみても、128kbpsの速度制限のところは少ない。

速度制限の緩和は他社のサービスと合わせてた競争力強化のためという理由が濃厚。
意外と多いのが、容量を超過した月末に全く使えなくなるといったユーザーが低速で我慢しているということ。中にはやむを得ず追加料金を払って容量を増やす方もいます。
実際にこの様な場面に陥った方も少なくないのではないでしょうか?
このようなことが起きた際、経験された方はどの様な行動に移るでしょうか?
速度制限の速度を調べ、他社と比較し、料金さがあまりないことに気がついたとしたら?
速度制限が128kbpsと1Mbpsがあって、料金が変わらなければ速度制限がゆるい方を選ぶのは当然です。

そこに格安SIM会社がようやく気づきはじめて対処をし始めたということです。
低速で使えない状況は解約のきっかけになりますし、せっかく獲得したユーザーを簡単に手放すきっかけになりますから。
今回のソフトバンクのサブブランドのY!mobile(ワイモバイル)の緩和は当然の流れではありますが、他社に比べて少し遅かったと言えます。

速度制限緩和の裏には5Gの影響が?

速度制限緩和の裏には、5Gの影響があるのでしょうか?
5Gは未だエリアは狭く既存の4G LTEからするとごく限られたエリアで限定的に使える状況です。

しかしながら、5Gの場合は超高速で低遅延、多元接続が売りです。
この超高速で使うユーザーはエリア拡大に合わせて増大の一途を辿るでしょう。
そうなって来ると、転送データをカウントしているサーバーの処理が大幅に増大します。

ここで、昔のインターネット回線を思い出して見ましょう。
今では光月額◯◯円と定額になっていますが、以前は容量の制限がありました。
それは低速で、データ転送をカウントするサーバーにさほど費用が掛からなかったから。
容量が増大するにあたり、データ転送量をカウントするサーバーや、制限を掛けるサーバー等、実際の通信に必要ではない付加設備の費用が増大したことを受け、カウントすることを諦め定額制となりました。

これと同じことが5Gでは起こると推測されます。
時期は分かりませんが、必ずそうなると断言しておきましょう。
5Gサービスを展開するには、そうしか出来ませんから。

ソフトバンク自体も5Gのサービスを提供しています。
それら設備を構築する上で、3G、4G、5Gの設備を維持するのは大変です。
5Gの設備を構築する際に、新たな設備への巻取りを行います。
それらの多くは大容量対応です。
5Gに対して速度制限を掛ける能力を持ったサーバーを導入しているかは不明ですが、低速の速度制限をかけている装置は老朽化している筈です。
それらは徐々になくなって行くはずですから、128kbpsなどの低速での速度制限を掛けることが徐々に困難になっていくと予想されます。

これらのことから、各社が速度制限を緩和する背景には5G展開に向けた取り組みの影響も一部はあると予想されます。