楽天モバイルのユーザーは4月までに300万人を超えられるのか?(3/3)
楽天モバイルは、エリア展開の前倒し、eKYC・eSIMの早期導入にて、ユーザー獲得を加速させていますが、実際は、未だまだ問題が山積み状態が続いています。
その1つが、楽天モバイルが300万人1年間無料キャンペーンです。
今キャンペーンが、2021年になってもまだ継続していることが問題で、300万人の目標は2020年内に達成するとしていましたが、ユーザーは料金だけには騙されず、サービスエリアの展開に合わせてユーザーが伸びているといった背景からもみてとれます。
楽天モバイルの300万人達成はいつか?
楽天モバイルは当初、300万人無料キャンペーンを2020年内に達成するとしていましたが、2021年1月末時点で220万人となっており、まだ80万人の獲得が遅れている状況です。
そして、大きな問題として無料期間を満了したユーザーがどの程度残るかが大きなカギとなります。
既存ユーザーが、エリアの問題や他社が打ち出してきた料金などと比較して、既存のキャリアに戻ることが大いに考えられます。
楽天モバイルは、ユーザーをより獲得する課題と、ユーザーを他社に流出させないために満足度を高めていく策を講じなくてはなりません。
楽天モバイルは無料ユーザーの流出を一番恐れていて、ユーザーの満足度の向上に重きを置いており、MMD研究所の顧客満足度で総合1位になっていることからもその事が伺えます。
しかしながら、結果としてはある意味簡単に対策を打てる料金の満足度がたかいものの、その他のサービスや通信品質やサポート面では他社に引けをとっているのが実状です。
ここからは、サービスの品質や、通信の品質など時間を要する対策を講じて行く必要があるため、2021年上半期が今後の運命を分けると言っても過言ではない重要な時期になっています。
サービス面を手厚くしていくには、人材を育て・維持するためのコストが必然的に掛かりますが、「ZERO宣言」により事務手数料から収入を得ることは出来ません。
これまで無料だったユーザーが実際に2,980円を払う価値を見いだせなければ他社に転出してしまいますので、さらに策を講じています。
先日発表された、段階的料金体系となった新料金プランです。
1GB未満の場合は0円となる大胆な料金プランとなっているため、品質改善に時間が掛かっても安ければ…といったユーザーは残るかも知れない。
大きな課題はサービスエリア?
基地局構築については、5年前倒しして対応していますが、不安要素としてはゼロにはなりません。
人口カバー率が幾ら上がったとしても、それは市町村の役場をカバーしている率には代わりありません。
実際のユーザーが体感するエリア品質とは大幅に乖離があるため、楽天モバイルが持っていないプラチナバンドの確保に力を入れる方向の様です。
楽天モバイルが持っている周波数で一番低いのが1.7GHzとなってるため、繋がりやすさなどを考えると、既存の3大キャリアより多くの基地局を構築しなければならず、エリア化されていても実際は家の中では使えないといった事が当たり前に起きます。
既存の3大キャリアもLTEをサービスし始めたころは同様の状況になっていましたので致し方ありません。
これらを短期間で同等に持っていくことは非常に難しいため、回線品質の向上については、これから当面継続的な課題となるでしょう。
また、地下鉄やトンネルなどの各キャリアが共同してサービスしているところは問題ありませんが、電波の届きづらい地下街やビル内などは個々にサービスエリアを構築しているため、同等のエリア構築にはどうしても時間が掛かってしまうという背景があります。
実際問題として、サービスエリアを補填するためau回線を使っていますが、人口カバー率が70%を超えた場所については、順次ローミングを停止しています。
ローミング停止によって、突如圏外となったユーザーが後をたたないのも事実。
楽天としては極稀なケースとしていますが、この様な声を上げるユーザーは極稀です。
大半のユーザーは何も言わず、他のキャリアに転出していきますから。。
このこととを重く受け止めて対処しなければ行けないことを理解できなければ、楽天モバイルの未来は無いでしょう。
この様なケースに対して、楽天モバイルはMVNOの経験もあるため、ドコモ回線を使用したMVNO端末の貸し出しにて対処して対策を行っていますので、これで満足であれば転出を抑えられるかも知れませんが、改善が見込めなければ転出となりますので正念場でああることは間違いありません。
端末不足が仇となるか?
楽天モバイルの抱える問題として、独自のスマホを用意するのは問題ないのだが、ラインナップの少なさに課題が残っています。
その1つとして、iPhoneシリーズの取り扱いが無いのが、競争上大きく不利に働いてしまっています。
SIMフリースマホを自分で用意して、iPhone12のeSIMにプロファイルをダウンロードして使えるユーザーなら特に気にしない点ではありますが、キャリアからスマホを購入するユーザーは圧倒的に多いのが現実です。
新しいスマホの場合、実際使えるかどうかを理解し判断できるユーザーは極稀です。
この様な判断は一般ユーザーにはハードルが非常に高いため、キャリアからスマホを購入するユーザーが多いことも納得がいきます。
実際に起っている問題として、5Gに対応しているiPhone12で楽天モバイルがようやくサービスを開始した5Gを利用出来ないといった問題も起きています。
スマホがなければ契約出来ませんので、これらを安定的に供給できる仕組みの構築をいかに早く用意出来るかについても、サービスエリアに次ぐ大きな課題では無いでしょうか?
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