3キャリア値下げでMVNOの生き残り競争激化!(3/3)

3キャリア値下げでMVNOの生き残り競争激化!(3/3)

大手3キャリア、サブブランドの煽りを受ける純粋なMVNOの置かれる環境は悪化の一途となっていますが、このままMVNOは弱体化していくのでしょうか?
MVNOの生き残るすべはどこにあるのでしょうか?

MVNOの強みはやはり料金値下げ?

MVNOの中でも日本通信やy.u mobileは対抗策として、日本通信ではNTTdocomoの「ahamo(アハモ)」より安い1,980円で2020年12月10日からサービス提供を開始しています。
現段階では16GBの容量ですが、ahamo(アハモ)のサービス提供が開始されるのと同時に20GBになります。
日本通信としては、この料金プランはahamo(アハモ)が発表される前から準備は行っていたようで、最終的な提供料金についてはahamo(アハモ)の発表を受けて決定したとのことです。
現状の条件であれば十分採算はとれるとしています。

更に収益を確保する鍵となるのが、音声通話の卸値です。
音声通話というと、30秒20円といった料金を思い浮かべる方が大半だと思いますが、ここでいう音声通話の卸値には、従量でカウントされる部分と、基本料金の部分があり、この基本料金の部分が異常に割高になっていることに対する値下げで次第で収益性は大きく改善するとのこと。

具体的には、現在の従量制の通話料金については、30秒20円を基本として契約回線数に応じて30秒14円まで値下げ値下げされ、基本料は1,486円で設定されていて、こちらも回線数に応じて666円まで値下げされるのが現状です。
音声通話SIMを提供する場合、多くの回線を借りるMVNOであれば660円は原価として掛かるため、これにデータ等の回線契約料金を入れるとかなり厳しく、速度が全く出ないSIMを提供することになり、ユーザーを含め誰にもメリットはありません。
この料金についてはNTTdocomoの公式サイトに公開されている内容から確認していますが、ソフトバンクやauもほぼ同じ内容となっています。
大手3キャリア共にこの基本料金の値下げを迫られているのが現状です。

MVNOの料金のネックは音声部分のコスト

音声部分の基本コストが高くなっていることで、MVNOは思い切った料金値下げが行えない状況になってきています。
日本通信は、総務大臣の裁定を勝ち取っており、NTTdocomoに対しては値下げの指示がでています。
日本通信とNTTdocomoの交渉は継続して行われていますが、未だ改定後の料金が出てきていません。
総務大臣の指示なのでMVNOへの音声通話卸料金値下げが行われるとは思いますのでその結果しだいでは多くのMVNOから新料金プランが提示されるのでは無いでしょうか?

日本通信以外に立ち上がったMVNO

日本通信に続いて、キャリア対抗プランを打ち出したのが、USEN-NEXT HOLDINGS配下のY.Uーmobileです。
このUSEN-NEXTが2020年3月に立ち上げたのがY.U-mobileで、あまり聞き馴染みのないMVNOですが、2021年3月1日にキャリアに対抗する形で料金値下げを行います。
3GBのプランを5GBに増量して1,490円、20GBで5,990円だったシェアプランを3,980円に値下げを行います。
20GBで3,980円ではキャリアよりも高価格となっていますが、シェアプランのため2人まで同時に使用することが可能で、さらにU-NEXTの月額1,990円のプランを含んだ料金となっており、映像サービス料コミと考えれば最安ではないでしょうか?
Y.U-mobileは、この料金プランの根拠として、回線卸値が1Mbpsあたり8,000円の値下げが行われるのと基本料の値下げも見込めるとして、1年間で獲得してきたユーザーデータ等の基礎データから様々な予測の上でこの様な値下げに踏み切れたとしています。
接続料や音声の基本料金等が値下げされた場合、更に値下げを行うかについては、通信速度の向上にするのか、料金を値下げるのかは状況を見ながら判断するようで、未だ未定となっています。

日本通信がこじ開けたMVNOの未来

日本通信は、値下げ交渉を早期から行っていた事が実を結びつつあります。
Y.U-mobileは接続料や基本料金の値下げを見越した先行的に料金反映を行いつつ、大容量のプランでもグループ会社の連携により動画コンテンツをセットにすることで割安感を演出してきています。
これら以外のMVNOについては、基本料金の値下げや接続料が早期に見直されなければ、必然的に統廃合される形となり、中には撤退するMVNOも出てきそうです。

政府の思惑は破綻しているが、このまま値下げとなるのか?

本来、政府の思惑としては、大手キャリアとMVNOの競争によって料金値下げを実現する方針でした。
MVNOが低価格帯を提示し、ユーザーがMNOからMVNOへ移行することでキャリア側は値下げを背ざるを得ない状況とする競争を働かせようとしていました。
しかしながら、蓋を開けてみれば、MNO側の自助努力により競争が働くことなくMNO側は値下げに応じた形となり、本来の競争をMVNOは仕掛けることなく慌てて対抗してきている構図となっています。

これらのことから、本来の政府の思惑からは大幅にずれた方向に動いています。
ことの発端は、政府による度重なるMNOに対する値下げ要請が原因です。

この状況で、MNOが卸値の値下げに応じなければならないのには若干の矛盾が生じます。

個人的な見解ではありますが、MVNOはTONEモバイルのような子供の見守りや、アクセス制限機能など独自のサービスを展開して人気を集めています。
本来、価格ではなく提供されるサービスでユーザーは選ぶべきであるし、MNO、MVNOに寄らずサービスを提供するのが競争なのでは無いでしょうか?

本来の競争に戻り、より良いサービスを選択したいと思うのは私だけでしょうか?

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