アプリ設定を有料化?ドコモがサポートを有料化する狙いは一体(1/2)

NTTdocomoでは2020年12月1日からアプリ設定のサポートを有料でサポートするサービスの提供を開始します。
今まで、アプリの設定等は主にユーザーによるもので、各ドコモショップでのサービスとして、設定勉強会などは行われていたこともありましたが、基本的にはユーザーが自分で設定する事が主体でした。

では、なぜこのタイミングでアプリの設定を有料サポートとする事になったのでしょうか?
このドコモのサポート有料化に関しては、どの様な狙いがあるのでしょうか?
さらには、業界に与える影響はあるのでしょうか?
その辺りを詳しく考察していきたいと思います。

ドコモがアプリ設定を有料サポートって?

NTTdocomoでは、2020年12月1日から全国のドコモショップでアプリの設定を有料で行う、「アプリ設定サポート」の提供が始まります。
このアプリ設定サポートは何でもかんでもサポートするといった内容ではなく、対象となる8つのアプリのインストールや初期設定、アカウントの引き継ぎなどをサポートするサービスとなっていて、料金は1アプリ単位で1,650円/アプリ(税込)となっています。
サービスを受けるには、ドコモ回線契約のあるユーザーに限られています。

この「アプリ設定サポート」については、東京、神奈川にあるドコモショップ250店舗での試験的な運用を受け、正式に全国展開となったものです。
2020年12月には、対応する店舗を800店舗へ拡大し、2021年2月までには全国の全店舗でサービス提供可能な体制を確立するとしています。

今までの店舗では、販売とサポートを行っていましたが、サポートに関しては無料で提供されていた流れがあります。
しかしながら、サポートと言っても電話番号引き継ぎ等の機種変更に伴う内容が主となっていて、アプリ毎の引き継ぎなどは時間を掛けてしっかりサポートするといった体制や内容ではありませんでした。
今回の「アプリ設定サポート」については、今までのサポート体制で不足していた部分を補う他に様々な狙いがあるのでは無いでしょうか?
これらの意味合いや狙いについて、より深ぼって見ていきましょう。

「アプリ設定サポート」の内容は?

「アプリ設定サポート」は、対象となる8つのアプリの初期設定、アカウント移行をサポートする内容となっていて、どんなアプリでもといった訳では無いようです。

このサポートで対象となるアプリは、「Facebook」「LINE」「Twitter」「Instagram」「メルカリ」「モバイルSuica」「Pokemon GO」「ディズニー ツムツム」の8つとなっています。
料金については、1アプリ毎に1,650円となっており、今まで無料の意識があると高額なイメージ。
アプリの初期設定や機種変更時のアカウント移行などをドコモ側がサポートする。
元々2019年12月にドコモでは、「初期設定サポート」サービスを開始していましたが、この内容としては機種変更時の基本的なデータ移行を主としていて、今回の「アプリ有料サポート」は更にサポート範囲を拡大した形となります。

名前にサポートと謳っている理由としては、個人情報等の観点から、操作をショップの店員が行うのではなく、操作自体はユーザーが行うためサポートとしている様です。
実際には、ショップのスタッフに教わりながらユーザーが操作を行う必要があります。
対象はドコモ回線契約者に限り、想定としてはスマホ初心者やシニア層を対象としている様です。

なぜ、アプリを8つに限って居るのかというと、ニーズの高さがあります。

今回対象となったアプリはいずれもユーザー数が1,000万人を超えており、定番中の定番といったことから選ばれた模様。
先に記述した東京、神奈川で試験的に運用した際に実際にニーズがあったものを対象に選定した模様。
試験的な運用時には対象アプリは11つありましたが、試験の結果ニーズがなさそうという理由から、正式リリース時には8つに絞って展開することを決めたとのこと。

乗換案内や初期設定、引き継ぎの必要性が低いアプリについては対象から一旦外したといった内容。
この対象アプリについては、ニーズなどの利用者の動向を見ながら追加・変更を行うとのことでした。

ではなぜ、FacebookやTwitterなどの引き継ぎ時にデータ移行の必要が無いアプリが含まれているのかと言った疑問については、シニアのニーズがあると言ったデータからサポートすることを決めた様です。

正式リリースにはショップスタッフ等のオペレーションを考慮

サポートと言っても、スマートフォンを新規契約して、初期設定するだけなら今まで通りで問題ないですが、機種変更時のアカウント移行では各アプリのIDやパスワードだけではなく、旧端末での移行手続きやデータ移行が必要なアプリもあります。
その手順については、アプリ毎に異なり、サポートする上では操作を熟知していないとユーザーをサポートすることはとても難しいです。
特にLINEのトーク履歴の以降は手順だけでなく手間や時間も掛かるため、ニーズが一番高かったとのこと。

アプリの設定サポートについては、アプリ事業者からの許可を得ており、その内容についてはマニュアル化され、ショップスタッフ向けに説明会をWebで開催したり対応を進めてきたとの事。

実際、アプリの移行時のトラブルとしては、ユーザー側でIDやパスワードを忘れてしまう事があり、この点についても想定はされており、ショップ側ではパスワードの再発行手続きなどまで踏み込めない部分については、各アプリへ確認をユーザーにおこなって貰って、場合によっては後日に対応するといった対応になるようです。

アプリ事業者の多くは、コロナ過の影響により電話でのサポートよりもメールやチャットしか無いところが多くなっており、返信までに時間を要する様になってきているとのこと。
アプリ設定サポートの場合、対面形式のため直ぐにサポートを受けられるためユーザーとしては安心感が高い。
有料となりますが、ユーザーのニーズに合ったサービスと言えそうです。

しかしながら、地域のショップによっては、既に予約がいっぱいで「アプリ設定サポート」を行うと、更に混雑に拍車を掛けてしまう懸念があります。
この点については、最近は来店予約での利用が殆どで店舗での時間調整を上手く行うことで混雑を緩和出来るとしています。
実際には1アプリで15分程度で行えるため、大きな影響は出ないと予測してえいるようです。