楽天モバイルのユーザーは4月までに300万人を超えられるのか?(2/3)

楽天モバイルは、3大キャリアより先行して、オンライン個人認証「eKYC」を導入し、eSIM対応を2020年11月に強化を行い、手数料を完全無料化によって更に加速をしています。

楽天モバイルの躍進の背景には、この様な新技術をより早く導入し、みんながHappyになる策を講じていることにあるのかも知れない。
これらの新技術が楽天モバイルにもたらすものは何なのだろうか?

eKYCを早期導入し、手数料無料化、eSIMによる手間を削減

楽天モバイルは2020年11月から、eKYCを「my 楽天モバイル」アプリに導入し、新サービスの提供を行っています。
当初はAndroid限定で対応していましたが、現在ではiPhone12の発表を受けてiOSにも対応しており、eKYCの利用が可能になっています。
eKYCはeSIMと対となって一番効果を発揮します。
実際はRakuten miniに合わせてeSIMの提供を開始していましたが、本人確認の大きな壁がその利便性を妨げていました。
この本人確認は、携帯電話不正利用防止法という法律により、住所確認の為の郵送が義務付けられていたため、eSIMでSIMを提供していたとしても住所確認のための郵送が必要であったため確認に時間を要していました。
eKYCが本格的に導入されたことにより、eSIM対応端末では即時開通することが可能になった訳です。

これまでは、eSIMの契約であっても、郵送でeSIMのアクティベーションを行うための紙をゆうそうして対応していましたが、これだと物理的にSIMを郵送するのと何ら変わりません。
オンラインで契約して、プロフィールをダウンロードしてそのまま利用可能になるeSIMの魅力が全く意味をなしていませんでした。
携帯電話不正利用防止法の改正が2020年4月に行われ、10月1日に施行されたことにいち早く対応したのが楽天モバイル。
この携帯電話不正利用防止法改正により、本人確認の記録作成や保存、書類が不要になり、eKYCとeSIMの恩恵をいち早く楽天モバイルが対応した形となりました。

eSIMと手数料無料が業界の流れを大きく変える

eSIMはオンラインでSIMの提供を受ける事が可能なため、店舗へ足を運んだり、手続きを行う手間が大幅に省かれ、オンラインで全ての手続きが完結するため、既存のキャリアはユーザーの流出を恐れ、導入には慎重な姿勢でした。
新規事業者にとってはメリットとなるため、楽天モバイルが真っ先にeSIMとeKYCの導入に踏み切ったのは当然の結果かも知れません。
この動きにより、逆に楽天からの流出もあることから、既存のキャリアもeSIM、eKYCの導入を加速せざるを得なくなっています。
eKYC、eSIMのインフラがいくら整ったとしても、スマートフォン側が対応していないと恩恵を受けることは出来ないため、楽天モバイルは「Rakuten mini」「Rakuten hand」などの自社端末似」加えて、eSIMに対応した「AUOQS sense4 lite」「OPPO A73」などのミドルレンジモデルを順次投入しています。

自社ブランドのスマートフォンはeSIMのみでしたが、「AUOQS sense4 lite」「OPPO A73」などの機種については、SIMとeSIMに対応したデュアルSIM対応のスマホになっています。
デュアルSIMの場合の利点は、現在使用しているSIMをそのまま活用し、楽天モバイルの回線を追加して使用することが可能な点です。
既存の電話番号はそのまま使用して、データ専用として無制限の楽天モバイルの回線を使用するといった使い方も可能になります。
これにより、お試しで楽天モバイルを使ってみるといったお試し需要も確保することが可能になると言った仕組みです。
この仕組はeSIMとのデュアルSIMでなくても、物理デュアルSIMスマホでも可能ですが、eSIMの方がより簡単に試せるといったことからハードルを大きく下げる事が狙いのようです。

事務手数料無料は大きい

楽天モバイルは事務手数料全てを無料にするといった内容で「ZERO宣言」を行い、サービスを提供しています。
この事務手数料を全て無料化することによって、ユーザーは契約時の事務手数料、MNP転出手数料、SIMカード、eSIMプロファイル再発行手数料など、契約時には何かと掛かっていた手数料を撤廃しています。
契約時のハードルを下げることによって、他社には出来ない差別化を行っています。

なぜ、他社が出来ないのかと言うと、既存キャリアの場合、代理店への手数料やシステムへの投資が必要になるため、手数料をゼロにしてしまうと雇用や収支の観点から単純に無料化を行えない現状があるため、この様な状況を踏まえて、楽天モバイルは事務手数料を無料化し顧客獲得への橋掛かりの施策としています。

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