格安SIMを5Gで使えるの?5GとLTEの違いを通信の歴史を踏まえて確認しよう
近頃、CMなどで5G(ファイブジー)という言葉を聞いたことは無いでしょうか?
恐らく大半の方は5Gという言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。
そしてその方々の多くは「なんかすごいらしい」「すごく早くなるんでしょ」とか、こんな漢字の理解では無いでしょうか?
一体、5Gとはどの様なものなのか…、この記事では携帯電話の歴史を交えてご紹介していきたいと思います。
5G(第5世代)を理解する上での移動体通信の歴史の振り返り
5G(ファイブジー)とは、第5世代の通信方式のことを指します。
5th Generation(第5世代)を略して5Gということですね。
今の世代が第5世代ということは、これまでに第1世代、第2世代、第3世代と第4世代が存在したということ。
ここからは、第1世代から順にどの様なものだったのかを振り返っていきましょう。
第1世代(1G)
第一世代(1G)は、アナログ通信方式で電話が電話線で繋がっていたものを無線にして電話を持ち歩ける様になった。
ここから、移動通信が始まった。
この第1世代は一定の間隔を開けたセルごとに基地局を設置し、セル間を移動しながら通話が継続出来る仕組み「セルラー方式」を採用して、電話しながら移動することが可能になった。
この第1世代のアナログ通信方式は1980年頃に商用サービスの実用化が行われた。
日本での商用サービスの第1号は、1979年に日本電信電話公社(元NTT東日本・西日本)がNTT独自の規格でサービス提供を開始した。
サービス開始当初はバッテリーを非常に消費したため、自動車に搭載する形の自動車電話だった。
その頃、米国ではAMPS方式、欧州ではNMT方式、TACS方式という規格に基づいた移動可能な無線電話の商用サービスが開始されていた。
1980年代半ば頃には、電池問題が改善し、手に持てる“携帯電話”が登場。
肩に本体をぶら下げて持ち運ぶことから通称ショルダーホンと呼ばれていた。
これを期に本当の持ち運べる移動電話の進化が始まったといえる。
ちなみにこの第1世代は今で言うスマホ本体の購入ではなく、全てレンタルというものだった。
価格は契約時に保証代数十万、数十万/月の月額費用が必要であったため、法人やお金持ちの一部しか使えなかった。
第2世代(2G)
この第2世代では、アナログ通信から、デジタル通信への変化が大きな特徴で、1990年代前半から普及され始めまあした。
さらには、NTTドコモがサービスを開始したiモードに代表されるパケット通信が開始したのもこの世代です。
この第2世代は、最初アナログ方式でしたが、方からぶら下げるショルダーホンから片手で持ち運べる小型のものになってきました。
この第2世代では、多くの国でGSM方式という規格の通信方式が採用され広く普及しました。
このGSM方式は、未だに全世界的に利用されている通信方式です。(日本国内は廃止)
しかし、日本や韓国などの一部の地域ではGSM方式は採用せず、独自の通信規格で普及しました。
日本ではPDC方式とうい国内規格に基き広く採用され、NTTドコモ、デジタルホングループ・デジタルツーカーグループ(現在のソフトバンク系)、IDO・DDIセルラーグループ・ツーカーグループ(現在のau)も順次PDC方式でサービスを展開した。
さらに米国の第2世代というとPDCの規格に近いD-AMPS(デジタルAMPS)という方式を採用して、1993年から商用利用され始め、その後Qualcomm社が提案した新規格「cdmaOne」も1995年から登場した。
PDCに比べてcdmaOne方式は音質がよくパケット通信も高速であったことから、日本国内でもDDIグループとIDOグループがcdmaOne規格を使ったサービスを展開した。
この第2世代でのもう一つの大きな変化として、今までのレンタルの契約方式から購入する方式になったことが上げられる。
第2世代当初は、10万程度の携帯端末代金、月額10万程度の費用が必要でしたが、月額1万円程度で利用可能になり、端末に至っては0円というものも現れる位になって1人1台の普及が始まった。
第3世代(3G)
この第3世代では、第2世代半ばから広く携帯電話が普及したことによる通信回線の確保が求められていました。
この第3世代は、より高速なデータ通信を実現したことで、テレビ電話が出来るようにもなりました。
そしてさらにはこの世代からSIMカードと言うものが登場し、SIMカードを差し替えるだけで他の端末を使うことが出来るようになりました。
それから、第2世代までは通信規格は各国ごとに乱立しており、統一が図られて居ませんでした。
これまでも移動体通信規格を世界統一する動きはありましたが、複数の規格を「標準」として各国で採用されてきました。
第3世代では統一の働きはあったものの、欧州系のW-CDMA方式と米国系のCDMA2000の2つの規格に統一が図られました。
国内ではどうだったかというと、欧州系のW-CDMA方式はNTTドコモとボーダフォン(元ソフトバンク)が採用し、米国系のcdma2000方式はKDDI(au)が採用した。
第4世代(4G)
第4世代は、より高速なデータ通信に特化する形で高度化されたものになった。
そして、世界的に統一的な規格となり、全世界で同じ端末を使える様になりました。
しかしながら、技術の進化とデータ通信需要の速度を比べるとデータ通信需要の伸びのほうが遥かに早かった。
このため、第4世代に以降するまでの間、第3世代を活用しつつ、第4世代技術を活用する形を各社は採用。
この時の世代を3.9Gと呼ぶ場合もある。
この時(3.9世代)の通信方式はLTE(Long Term Evolutionの略)という通信規格で、第3世代と併用する形が採用された。
NTTドコモが2004年に”Super 3G”というコンセプトを足がかりに、3Gから4Gへ以降する際に用いられました。
基地局からの送信と、受信を異なる周波数を使う”FDD-LTE”、基地局からの送信受信を同じ周波数で時間を分けて使う”TDD-LTE”の2つの方式があり、現在では全世界で両方式が採用されている。
LTEの特徴として、データ通信に特化し、高速通信や低遅延、基地局と同時に接続可能な台数を増やした点です。
データ通信に特化したため、当初は音声通信(電話)をする際は、3G側のネットワークに切り替えて電話を行っていた。
データ通信で音声通話が可能となる”VoLTE(Voice Over LTE)”の規格が制定され、LTEでもより高品質な音声通話が可能になった。
ここまでは、3.9Gの話
実際の第4世代はというと、”LTE-Advanced”という規格により、CA(キャリアアグリゲーション)が採用され、複数の周波数を同時に利用し通信することでより高速な通信が可能になった。
現在では、基地局からの送信(下り)が1Gbps、スマホからの送信(上り)が100Mbps超の高速通信が可能になっている。
“長期間の革新”という名の通り、LTEとLTE-Advancedは長期間にわたって規格のアップデートがなされ、現在では国・地域によっては下り1Gbps超、上り100Mbps超の通信を実現している。
第5世代(5G)では何が出来る?
第5世代はLTEなどの名称はなく、初めて世代名=規格名となっています。
なので、世代名が規格名として初めて採用された形になります。
この規格名は、2018年6月14日に確定しました。
そして2018年の10月からは米国のVerizonが5Gの要素を取り入れたサービスを開始ししています。
5GはLTE-Advancedで取り組んできた技術開発の内容をより広帯域でより低遅延に発展させたものになります。
そして、多元接続がより幅広くなり、スマホだけでなくデバイス、メーター、カメラなど様々な通信速度のものに柔軟に対応出来る方式になっています。
この方式には実は、低遅延で高速化した反面、周波数の課題がある。
周波数は低いと情報伝達量が少なくなりますが、障害物に強くなり広い範囲に電波を送ることが出来ます。
5Gで利用する周波数のように3.7GHzや4.5GHz、28GHzと周波数が高くなると、送る情報量は多く出来ますが、障害物に弱くなります。
これによって、今までの携帯電話基地局より、より多くの基地局を設置しなければなりません。
今までの基地局などをみても5年単位でネットワークが構築されていますので、倍以上の基地局となると普及には10年単位でかかると想定されます。。
5Gの規格上では基地局からの送信は20Gbps以上、端末からの送信は10Gbps以上の通信速度を目指しています。
実験段階では基地局からの送信は20Gbps以上の速度は既に達成しているが、商用となると環境や受信側の設備側が追いついていないため、もう少し先の話になりそうです。
5Gの高速通信は、4Kや8Kなどの大容量のコンテンツ配信にも対応可能で、今後ライブ配信などの今までは光回線などの固定回線を使っていたものが5G回線に置き換わる時期は近い
5Gでは通信速度の高速化がメインの技術の様にとらわれ易いですが、低遅延というものも特徴の1つ。
低遅延とは、データの送受信にかかる時間のことで、LTEでは片道5ミリ秒(0.005秒)位で、5Gでは更に片道1ミリ秒(0.001秒)以下に抑えることを目標にしている。
この低遅延の恩恵を受けるとすれば、オンラインゲームなどの複数の場所から複数のプレーヤーが1つのゲーム内で遊戯する際に遅延が少ないことで応答速度が上がり快適な環境を作り出すことが可能になる。
さらには、遠隔から車を操作することも可能になる。
ここで注意しておきたいのが、5G回線の無線区間だけ低遅延化するということです。
相互にネット回線を使って接続する際は途中の経路も高速化されていなければ全く恩恵を受けることが出来ない。
この5Gの特徴を活かすも殺すも、5G回線以外のネットワーク構成がキモになってきます。
なので、5G回線を格安SIMで提供されていたとしても、格安SIM提供会社の回線が細ければなんの意味も持たない、宝の持ち腐れになってしまうので、格安SIMの5G回線を選ぶには慎重になっておきたいところ。
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