光回線が速い「NURO光」の速度の秘密は一体?その謎を徹底解明

NURO光の通信速度が速いのは一体なぜでしょうか?

NURO光はSo-netが提供している光回線です。

個人向けインターネット回線の速度としては最速の下り最大2Gbpsを実現しています。

実際のところ、本当に早いのか?

その秘密について探ってみましたので、詳しく紹介していきます。

NURO光の通信速度が速い理由とは?

理由その1「NURO光」はダークファイバーを使う事で回線速度が速い!

NUROはNTTが敷設している光ファイバーの予備線を利用して接続しています。

実は電柱に敷設されている光ケーブルは多芯テープ構造のため、1芯ではなく、4芯若しくは8芯の光ケーブルがテープ状になったものが複数束ねられた構造になっています。

なので、1軒の住宅に配線を持っていく場合でも、1芯でずっと敷設されているわけではなく、断線や将来を見越して多芯で住宅付近まで敷設されています。

住宅の近くに多芯光ケーブルを分岐する箱状のクロージャーで1芯ケーブルに接続され住宅に配線され、ONUに接続されます。

そして、この接続方法にも秘密があります。

光ケーブルの接続方法には、大きく3つあります。

1つ目は、コネクタを使って接続する方法

2つ目は、融着といって光ケーブルの心線を熱で溶かして接続する方法

3つ目は、メカニカルスプライスを用いて簡易に光ケーブルを融着の様に接続する方法です。

光の信号は遠くになればなるほど弱くなるのは分かるかと思いますが、通信速度に影響する要素として光の反射があります。

光の反射は、融着ではあまりおきませんが、コネクタ接続やメカニカルスプライス接続だと発生します。

反射はケーブル同士の接続点だけではなく、機器との接続点の反射が一番大きくなります。

それらの要素も速度に影響しているため、ダークファイバーを独自に使用した方が安定的に速度を出すことが出来るのです。

なので、新規にNURO光回線の工事を行わず、既存のNTT光線を流用した場合は本来の速度まで出ない可能性があるのも事実です。

実際、NTTの工事では光の減衰(光の信号レベル)は確認しますが、反射まで確認する事は無いので…

理由その2 NURO光だけ、「G-PON」と独自のONUで高速化

同じ光ケーブルを用いてもNURO光が速度を出せる理由は、回線終端装置~ホームゲートウェイ(ONU)を継なぐ通信規格を「G-PON」という方式を採用し、これに合わせてホームゲートウェイ(ONU)をNURO光とメーカーが共同で独自開発を行ったことが大きな理由です。

一般的な光サービスは「GE-PON」という規格で接続されています。

NURO光では他で使っていない「G-PON」を採用していますが、より高い技術力が要求されることに加え、開発費等のコストを考えると他の事業者が手を出していなかったところ、導入に踏み切っています。

G-PONとGE-PONの違いって?

GE-PON、G-PONを説明する前にPONについて解説しておきます。

PONとは、「Passive Optical Network」の略で、1本の光ファイバーを複数に分ける技術の事です。

1軒に対してNTT等のビルから1芯の光ファイバーを敷設すると速度は出せますが、それだとコストが掛かります。

月額数千円程度の利用料で光ファイバーを各家庭に普及させるにはどうしてもPONの技術が必要となっているのです。

GE-PONは通信方法を有線LANと同じ汎用的なEthernetの技術を使っているため、設備費を安く抑える事が出来き、またシステムも簡素にすることが出来る特徴があります。

NURO光が採用したG-PONは汎用的な技術ではなく、GTCという独自の技術を使っています。

GE-PONはIEEEという標準化団体が定義している方式で、G-PONはITU-Tという標準化団体が定義している方式です。

GE-PONとG-PONの大きな違いは通信速度が違います。

規格 上り速度 下り速度
G-PON 1Gbps 2Gbps
GE-PON 1Gbps 1Gbps

NURO光以外がG-PON導入に踏み切れない理由

速度を売りに集客が出来るのであれば、他社もG-PONを使ったサービスを提供できると想像がつきますが、ここには大きな壁があります。

それは同じ光ファイバを使っていたとしても、通信の中身が全く異なるという点が障壁です。

ユーザーごとにGE-PON、G-PONを使い分けられれば良いのですが、規格が異なるため光ファイバを新たに敷設する必要があるのと同時にNTTビル側の設備も変更しなければならないからです。

GE-PONでサービスを提供している会社は、再度新規に設備を構築しなければならないため非常にコストが掛かります。

PONの種類 GE-PON G-PON
標準化団体 IEEE ITU-T
ベース技術 イーサネット 同期網

なぜ、NURO光だけがG-PONを導入出来たのか?

NURO光は光回線サービス提供会社としては後発であったことと、G-PONの技術が海外で普及していた事により設備投資も最小限に抑える事が出来たことが要因の一つです。

NURO光の提供元のSo-netの技術者が優秀でその点に気が付きG-PONでの導入を行ったことが大きな要因です。

実際はどれくらい早いのか?

NURO光を他社と比較した表が下記になります。(母数は各社100名)

NURO光はフレッツ光に比べると3倍、au光に比べると2倍の差があります。

実際にJ:COMから乗り換えたら下の様に速度が改善しました。

比較相手がJ:COMってこともありますが、下りは4倍、上りはなんと37倍になっています。

是非参考になさって下さい