AppleはApp Storeの手数料を半額に?アプリ開発者が受ける恩恵は(2/2)

Appleが発表した「App Store Small Business Program」について、記載してきましたが、ここからは、大手デベロッパーからはApple 対しては批判の声も上がっているのは事実です。

過去の経緯から、大手デベロッパーからすればAppleのこの「App Store Small Business Program」については、募っていた不満がさらにくすぶっているのが現状です。
それらの大手ではどの様な声が上がっているのでしょうか?

大手デベロッパーのApple批判は根強い?

Appleが「App Store Small Business Program」を発表した経緯には、手数料の30%に対して、デベロッパー側の不満が大きくくすぶっています。
その代表例としては、Epic Gamesの「フォートナイト」がApp Storeから削除された事があります。
この経緯は、App Storeの手数料に不満を持っていたEpic Gameは自社のアプリ内で独自の課金システムを導入したことがAppleの規約に抵触しているとして2020年8月にApp Storeからアプリが削除されたという流れです。

このApp Storeから削除されたことについては、AppleとEpic Games間で訴訟問題に発展し、現在も闘争中です。

これと同様のサブスクリプション型の音楽配信サービスのSpotifyでも、Appleが類似のApple Musicサービスをを開始した事に対して、批判を繰り返しています。
なぜ批判を繰り返しているのかというと、Apple MusicはAppleのサービスとなるため、手数料の30%が掛かりません。
その分価格に反映されますので、同じ立場で競争が出来ないといった背景があります。

このようなEpic GamesやSpotifyなどの有名大手以外のデベロッパーについても30%に対する評価はなんとも言い難いところ。
大手企業に属する開発者からすれば、決済などの様々なことを考える必要が無く、アプリを世界中に販売することが出来き、開発に集中出来るといったところから、この手数料はさほど高くは無いのではとコメント
しかしながら、昔からの開発者はiモードの時代には手数料は9%だったのに対して、30%はやはり高いといった印象の様です。

これらの状況から、Appleが様々な懸念を受けて「App Store Small Business Program」を発表した背景にはこれらの対策と考えるのが妥当です。

Appleが発表した、「App Store Small Business Program」には様々な批判を軽減する狙いがありそうです。
実際恩恵を受けるのは小規模なデベロッパーだけですが、Appleが説明したとおりであれば、大多数のデベロッパーが恩恵を受けそうなので好評を得ています。

大手デベロッパーについては、全体の中では少数派となり、業界全体の声として批判する事が難しくなります。
Appleとしては、収入減を最小限に抑えつつ、多くのデベロッパーを味方にする狙いとして、戦略的な策を講じた形になります。

しかしながら、大手のEpic GamesのCEOはイベントで「開発者を分析した皮肉な策略」として「App Store Small Business Program」を批判しています。
さらにはSpotifyも、Appleの気まぐれ的な施策と苦言を呈しており、Appleは大手デベロッパーに対しても恩恵がある施策を検討せざるを得ない状況になる可能性はゼロでは無い。
App Storeの発展を考えると、双方がwin-winにならなければならないのは言わなくてもわかるのでは無いでしょうか?